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婦人科疾患

月経前症候群(PMS)

月経前症候群(PMS)とは、月経が始まる3~10日前に起こる精神的あるいは身体的症状のことで、月経が始まるとともに症状が軽くなる、または無くなるものを言います。

精神的症状とは、イライラ、怒りっぽい、抑うつ状態、不安感などが起こります。

身体的症状とは、腰痛、肩こり、むくみ、頭痛、吐き気、めまい、乳房の脹れなどが起こります。

月経前には多少の精神的・身体的症状が現れるのは普通ですが、仕事を休んだり、他人に当たったりと、日常生活に支障をきたすまで我慢するのは禁物です。
健やかに生活できるよう、漢方薬で体質改善頂きたいと思います。

それではなぜ、このような症状が起こるのでしょうか?
それには主に女性ホルモンと瘀血が関係しています。

女性ホルモンについて

女性の体は約一ケ月ごとに妊娠するための準備をしています。生理が始まって、次の生理までを1周期と数えます。
1周期は月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4期に分けられます。

月経期~排卵期の間はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が盛んになり、1個の卵胞を成熟させ、卵子を排卵できるまでに育てます。
黄体期はプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が盛んになり、子宮内膜をやわらかくフカフカにして、受精卵が着床・発育しやすい環境を整えます。

月経前症候群が現れる月経前の3~10日は、プロゲステロンの分泌が盛んな時期です。
プロゲステロンは子宮内膜をフカフカにするために、体に塩分や水分を貯めようとするので、むくみや乳房の脹れ、めまいなどが起こりやすくなります。

また、この時期はホルモンのバランスが崩れやすく、イライラや不安感が起こりやすくなります。

このように女性の体はホルモンの影響を受けやすく、またそうであるからこそ、女性には胎児をはぐくみ、出産することができるのです。

1ヶ月の内に起こる心身の変化と上手に付き合っていくことが大切です。
漢方薬はバランスの崩れた体を正し、私達の生活をサポートしてくれます。

瘀血について

瘀血とは汚れて働きが悪くなった血液のことです。

月経期には、使われなかった子宮内膜が剥がれ生理として排出されると同時に、瘀血を排出するというとても大切な働きもしています。

瘀血が月経期にスムーズに排出されず体にたまっていくと、どうなるのでしょうか?
血流障害が起こり、月経前症候群だけでなく、月経中も生理痛や頭痛、吐き気に悩まされます。

瘀血体質の改善薬は漢方薬特有のもので、西洋薬にはありません。
瘀血を除くお薬には、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、通導散など色々な漢方薬があり、その方の症状・体質に合わせ適切な漢方薬を選ぶことが大切です。

月経前症候群に実績のある漢方薬

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
  • 四物湯(しもつとう)
  • 五苓散(ごれいさん)
  • 芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

まとめ

月経前症候群には漢方薬がたいへん良く効きます。
漢方薬でホルモンバランスを整え、瘀血がたまりにくい体質へと改善することで、月経前症候群の辛い症状をなくしていきます。

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