不整脈
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不整脈について
心臓は収縮と拡張を絶えず繰り返して、血液を全身に送り出しています。この動きを「拍動」といいます。
心臓が規則正しく拍動するのは、右心房にある「洞結節」が、規則正しく電気信号を発生させているからです。この電気信号は、心臓の筋肉に張り巡らされた「刺激伝導系」を通り、心臓全体に伝わります。心臓の筋肉はこのようにして、一定のリズムで拍動しています。ところが洞結節や刺激伝導系に何らかの障害が生じると、拍動が乱れるようになります。これが不整脈です。
不整脈には3つのタイプ
健康な人の安静時の拍動は1分間に60~100回ですが、これより拍動が早くなるタイプが「頻脈性不整脈」です。逆に遅くなるのが「除脈性不整脈」といいます。3つめは通常の収縮より少し早く拍動が起こってリズムが乱れる「期外収縮」があります。
頻脈性不整脈
動悸、息苦しさ、胸苦しさを感じます。症状が強いと脳梗塞や突然死につながるものもあります。
除脈性不整脈
だるさや息切れ、めまいが起こります。心拍数が1分間に20回以下の高度な除脈になると、失神や突然死につながることがあります。
期外収縮
ほとんど自覚症状はありませんが、脈が飛んだように感じられることもあります。
不整脈に実績のある漢方薬
通導散(つうどうさん)
打ち身や交通事故で体に溜まった悪い血(アザなど)に使われる漢方薬ですが、単に血の巡りをよくするためにもよく使われます。気の巡りをよくしつつ、便通をよくすることで血の巡りをよくする薬です。体ががっしりして顔が赤黒い人によく向いた漢方薬ですが、体力がない人や便秘でない人には向きません。無理に飲むと体が冷えてひどく下痢をする場合があります。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血の巡りをよくする漢方薬です。特に下半身の血の巡りをよくするので、血行不良による生理痛や子宮筋腫によく使われます。血行不良の肩こりや腰痛にもおすすめです。また、漢方ではシミや肌荒れは血行不良によるとされているので、美肌のために処方される場合もあります。ただ、体力が中程度以上の人向けの漢方薬なので、胃腸があまりにも弱い人にはあまり向きません。また、シミや吹き出物が気になる場合は、桂枝茯苓丸にハトムギを足した桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)のほうが向きます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気を補う漢方薬です。食欲不振、夏バテ、疲労によく使われます。気力体力を補って、内蔵を持ち上げて内臓下垂を治すのにも使われるので、痔や胃下垂にも効果的です。胃腸があまり強くなかったり体力がなかったりしても使えますが、あまりにも胃が弱い人だと六君子湯や四君子湯のほうが向いている場合があります。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)
水の巡りをよくする漢方薬です。めまいの薬として有名です。体に水が溜まって水の巡りが悪くなると、気と血の巡りも悪くなるので、水の巡りをよくすることで気血の巡りも良くなります。みぞおちが張って胃に水が溜まっている人に向いている薬です。水分を取りすぎると効きが悪くなるので、この漢方薬が出されたときは普段の水分摂取を少し見直し、水分をとる場合は常温以上のものにしましょう。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
気を補いつつ水の巡りもよくする漢方薬です。加齢による頻尿に使われる薬として有名ですが、元々はアンチエイジングの漢方薬です。膀胱を広げて尿をためやすくしたり、尿を作りやすくしたりします。また、体に気と精を補い、老化を防止します。体ががっしりして食欲がある人に向いた漢方薬です。胃にもたれやすい生薬が入っているので、胃腸が弱い人には向きません。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体を穏やかに温めつつ、血と水の巡りをよくする漢方薬です。色白でむくみがちな貧血気味の女性によく使われます。婦人薬としても有名です。余計な水を出し、むくみを改善するので、ダイエット薬としても使われます。体力があまりない人でも飲めますが、食欲が無い場合はあまり向きません。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
血の巡りをよくする漢方薬です。便秘があり生理痛がひどい人に向きます。体力充実して便秘がある人のイライラや怒りっぽさにもよく使われます。舌の裏の静脈が赤黒く膨れていると血の巡りが悪いので、それに頑固な便秘があるならよく効く漢方薬ですが、体力がない人には向きません。下剤となる生薬が多く含まれているので、ひどい下痢になります。また、体の中心を触ってみて冷えている人にも向きません。
炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
気血を補う漢方薬です。不整脈の漢方薬として有名で、疲労や寒さにやられた人の動悸や期外収縮に使われます。また、体の潤いもよく補う漢方薬なので、肺(気管支)の乾燥や炎症にも使われます。別名を復脈湯といい、脈が絶えそうな人も復活させるという薬です。ただ、胃にもたれやすい生薬が入っているので、あまりにも胃が弱い場合は向きません。
不整脈と漢方薬まとめ
漢方薬でも不整脈は対処できます。気血の巡りをよくしたり気血を補ったりする漢方薬を使います。また、ストレス方面から対処したり、不眠解消の方面から対処する場合もあります。
多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。
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