頭痛に使う漢方
デスクワークの人が多い現代において、頭痛は老若男女が悩む問題です。特に若い女性だと、生理前・生理中の頭痛も悩みの種です。頭痛には主に3タイプあり、漢方薬は頭痛のタイプと体質・症状に合わせて使い分けます。頭痛のタイプと、頭痛によく使われる漢方薬を紹介します。
この記事の目次
頭痛のタイプ
3タイプの主な頭痛を紹介します。
緊張性頭痛
筋肉の緊張で起こります。
- 頭が締め付けられるような伊丹
- 首や肩がこる
- 猫背やストレートネックなどで姿勢が悪い
- 運動やマッサージで改善しやすい
などの特徴があります。
片頭痛
血管の拡張で起こります。血管の拡張は緊張の緩みやホルモンバランスの変化で起こりやすいです。
- 頭の片側にズキズキする痛み
- 光、音、匂いに対する過敏さや吐き気を伴うことが多い
- 暗くて静かな部屋で休むと改善しやすい
などの特徴があります。
群発症頭痛
はっきりとした原因は不明ですが、予防薬を飲んだり酸素吸入をしたりによって改善できます。非常に激しい頭痛です。
- 目の奥から後頭部にかけて突然刺すような痛み
- 目や鼻の充血、涙目、鼻水などの自律神経障害が伴うことが多い
- 数分から数時間持続し、数日から数週間にわたって毎日同じ時間帯に起こりやすい
などの特徴があります。
漢方薬は、主に片頭痛と緊張性頭痛に使われます。また、天候の変化による頭痛、女性のホルモンバランスによる頭痛にもおすすめです。
頭痛におすすめの主な漢方薬
片頭痛と緊張性頭痛で、異なる漢方薬を使い分けます。ここに紹介した以外の漢方薬を使うこともあります。
緊張性頭痛におすすめの漢方薬
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
婦人薬として有名な漢方薬です。肩こりや血行を良くして、緊張性頭痛を緩和する効果があります。そのため、血行不良による生理痛によく使われます。ただし、体質によっては、血府逐瘀丸や冠心Ⅱ号方などの漢方薬が合う場合があります。また、桂枝茯苓丸は早産や流産を誘発する期間があるため妊娠中は使えません。
血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
高血圧で血行が悪い人に適しています。胃腸に負担がかかる生薬を含むので、胃腸が弱いと不向きな場合があります。
冠心Ⅱ号方(かんしんにごうほう)
全身の血行を良くする漢方薬です。高血圧や心疾患の不安がある人に適しています。
葛根湯(かっこんとう)
首すじにこりがある場合に効果的です。ただし、体力を使って発汗を促す薬なので、長期間使用するべきではなく、体力のない人には向きません。人によっては、独活葛根湯(どっかつかっこんとう)が使用される場合もあります。
片頭痛におすすめの漢方薬
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
胃に水が溜まって冷えている人向けの漢方薬です。体の中心を温めて冷えから来る頭痛を和らげます。苦くまずい漢方薬として有名ですが、まずく感じなかった場合は、体質に合っている可能性が高いです。
五苓散(ごれいさん)
雨の日や低気圧で頭痛がひどくなる人に適しています。利尿作用のある生薬3つと、体の巡りを良くする生薬2つで、体全体の余分な水分を外に出します。脳のむくみに良いとされています。二日酔いの頭痛も体の水分過多が原因なため、二日酔いの薬としても使用されます。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
婦人薬として有名な漢方薬です。女性のホルモンバランスが原因の頭痛に効果的です。イライラや落ち込み、生理前の過食がある人に適しています。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
これも婦人薬として有名な漢方薬です。女性のホルモンバランスが原因の頭痛に効果的です。色白でむくみがちな貧血の人に向いています。
釣藤散(ちょうとうさん)
イライラやのぼせのある高血圧の人の頭痛に適しています。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
むくみがひどく、めまいやふらつきがある人に適しています。血行を良くしつつ水分代謝を良くして体外に余計な水分を出すため、三半規管のむくみによるめまいにも使用されます。
頭痛ごとにおすすめの養生
普段の生活に気をつけ、養生することで、頭痛が改善したり漢方薬が効きやすくなったりします。
緊張性頭痛の養生
姿勢を良くし、肩と首の定期的なストレッチ・エクササイズを心がけて体のこりをとりましょう。軽い運動を取り入れることも効果的です。
また、ストレスでも首や肩のこりは悪化するので、外で遊んだり大声で歌ったりするなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。 香水やアロマオイルなど、好きな香りを取り入れるのもストレス解消におすすめです。漢方では柑橘系の香りが気を巡らせて気持ちをスッキリさせると言われています。オレンジピールやレモンピール、金柑を食べるのもおすすめです。
片頭痛の養生
体を冷やさないようにしましょう。体を冷やすと水分循環が悪くなり、体に余計な水が溜まりやすくなって片頭痛のもととなります。有酸素運動をしたり、湯船にしっかり浸かったりして体を温め、汗をかくことがおすすめです。
また、むくみ解消を心がけることも大事です。水分摂取は大事ですが、水分を取りすぎていないか、一度見直してみましょう。
加美漢方薬局
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