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漢方

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漢方薬

花粉症に効果のある漢方薬

花粉症は、スギが多い日本の国民病です。
漢方から見て、花粉症にはいくつかタイプがあります。漢方薬を使った治療では、タイプごとに漢方薬を使い分けることが重要です。
花粉症に漢方薬を使うメリットとして、眠くならないことがあります。漢方薬には、即効性がある種類も、長く飲んで体質改善を狙う種類もあるので、ここではどちらも紹介します。

漢方から見た花粉症タイプ

漢方において、花粉症には、原因から見たいくつかのタイプがあります。タイプが複合することもあります。

体に余分な水がたまっている

「湿がたまっている」と言うこともあります。水が溜まっているのが共通でも、体が冷えているか熱を持っているかで使う漢方薬が変わってきます。湿がたまっていて体が冷えていると水のような鼻水がでます。湿気がたまっていて体が熱を持っていると黄色く粘る鼻水が出ます。

体が炎症を起こしている

「体が熱を持っている」「余分な熱がたまっている」と言うこともあります。結膜炎になったり黄色く粘る鼻水が出たりします。水が溜まっていてなおかつ体は熱を持っている状態を湿熱(しつねつ)と言います。

花粉を跳ね返す力が弱い

体を守るエネルギーである、「衛気」(えき)が不足しているとも言います。多かれ少なかれ、すべての花粉症に共通して言える体質です。改善するには、花粉が来る前からの対策が必要です。

花粉症に使う漢方薬

花粉症に使う漢方薬を、タイプと症状別に紹介します。体質改善に関する漢方薬以外は、ある程度の即効性があります。

鼻水

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

水のような鼻水が出るときによく使います。体を温めつつ水分代謝をよくして、鼻水を改善する漢方薬です。体力を使う麻黄という生薬を含むので、ある程度体力のある人向けです。

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

水のような鼻水で体が冷えているけれど、小青竜湯を使うには体力がない人向けです。小青竜湯の裏の処方と呼ばれることもあります。体力の有無は、胃腸の調子がよいかどうか、食欲があるかどうか、疲れやすいかどうかで判断すると外れにくいです。小青竜湯と違って麻黄を含んでいないので、麻黄の副作用である動悸などが起こりません。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

体が冷えていて、水のような鼻水が出る人向けです。みぞおちや下腹を触ってみて冷えている人に向きます。麻黄を含む漢方薬なので、麻黄で副作用が出る人には向きません。また、食欲がない人にも向きません。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

黄色く粘る鼻水に使われます。体の熱を冷ましつつ、体の巡りをよくして水分代謝を高める漢方薬です。体力のない人には向きません。

鼻詰まり

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

体に熱がたまっていて、なおかつ鼻が詰まる時に使います。鼻水自体は黄色く粘っていることが多いです。副鼻腔炎や蓄膿症にも使われる漢方薬です。体を冷やす作用が強いので冷え性の人には向きません。

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

体が冷えていて、なおかつ鼻が詰まる時に使います。鼻水自体は透明で粘っていないことが多いです。急性の副鼻腔炎にも使われる漢方薬です。有名な漢方薬である葛根湯、鼻詰まりにいい生薬である辛夷(しんい)と血行をよくする生薬である川芎(せんきゅう)を足したものです。体を温めて巡りをよくします。

鼻淵丸(びえんがん)

体の熱を取りつつ鼻水を出しやすくし、鼻の通りをよくします。蓄膿症などにも使われます。体の熱を取る生薬が多く含まれているため、冷え性の人にはあまり向きません。

頭痛

川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)

頭痛やふらつきによく使われる漢方薬です。体の巡りや血の巡りをよくしつつ水分代謝をよくし、熱を取ります。冷え性の人や胃腸が弱い人には向きません。

花粉による結膜炎

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

体の熱とかゆみを強力に取る漢方薬です。体の巡りと水分代謝をよくします。食欲がない人や冷え性の人には向きません。

体質改善

花粉が来る前から、ある程度長く飲み続ける必要があります。

玉屏風散(ぎょくへいふうさん)

体力がなく免疫力が低い人の体質改善向けです。疲れやすく風邪を引きやすい人に向きます。特に衛気を補充する漢方薬です。生薬が3つのみのシンプルな構成なので多くの人に使えます。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

衛気が足りないだけでなく、体力全般がない人向けの漢方薬です。食欲がなく、イライラやストレスがある人に特に向きます。下半身が冷えていたり足腰が弱かったりする人は四君子湯(六君子湯)や帰脾湯(加味帰脾湯)が向くこともあります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

体力をつけつつ体を温め、水分代謝をよくする漢方薬です。婦人薬として有名ですが、体質が合えば男性にも使います。水のような鼻水が出る人などの体質改善向けです。

まとめ

花粉症は、漢方の視点ではいくつかのタイプに分かれます。また、体質改善には、花粉が来る前から長期的な対策が必要です。多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。 何でもお気軽にご相談下さいませ。


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