加美漢方ブログ
  1. HOME
  2. ブログ一覧
  3. いらいらに効果がある漢方薬をご紹介
記
漢方

ブログ

漢方薬

いらいらに効果がある漢方薬をご紹介

わけもないイライラ・怒りに悩まされることがあります。
ストレスでイライラする場合もあります。漢方では、肝が高ぶったり気の巡りが滞っていたりするとイライラ・怒りが起きやすいとしています。漢方から見たイライラ・怒りの原因とよく使われる漢方薬を紹介します。

イライラしている女性のイラスト

漢方から見たイライラ・怒り

漢方では体の機能を5つに分けた五臓という概念があります。肝・脾・肺・心・腎です。
肝臓・脾臓・肺そのもの・心臓・腎臓とは、機能で重なる面がありながらも異なる概念です。
この中で、肝は気の巡りや怒りに関係する五臓とされていて、肝が高ぶれば怒りやすくなるし、気の巡りが滞ってイライラしやすくなるとされています。
気の巡りが滞ると、イライラ・怒りだけでなく、落ち込み、ゲップ、お腹の張りなどが起こりやすくなります。

イライラ・怒りに使う漢方薬

抑肝散(よくかんさん)

怒りやすさに使う代表的な漢方薬です。
肝の高ぶりを抑え、肝に栄養を与えます。また、体の緊張を取ります。認知症になった人の怒りやすさや、子供の夜泣きにもよく使われます。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散を使いたいけれど少し胃腸が弱い人向けの漢方薬です。
胃を健康にし動きをよくする生薬が2つ抑肝散に追加されています。胃腸に自信がないときや、長く抑肝散を飲み続けたいときは、こちらが合います。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

ストレスが強く不眠や不安がある人に使われる漢方薬です。高血圧不眠にも使います。
中程度以上体力があり、食欲もある人向けの薬なので、体力がなかったり体の中心が冷えていたりする人には、次に紹介する柴胡桂枝乾姜湯が合います。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

ストレスが強く不眠や不安がある人の薬です。
上半身がのぼせているけれど下半身は冷えている人に合います。風邪が長引いて空咳が続く人に使われる場合もあります。

苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)

不安感が強く、神経質でイライラしやすい人に向きます。
そういう人の緊張によるドキドキや動悸に使う薬です。心を落ち着かせる生薬と体の巡りを助ける生薬が組み合わせられています。

甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)

体の巡りをよくしつつ体の熱をとる漢方薬です。
胃腸の動きが悪く、みぞおちがつかえた感じのある体力中程度の人に向きます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

気の巡りだけでなく、血や水の巡りもよくして体の巡り全体を助ける漢方薬です。
肝の熱をとり気の巡りをよくする生薬が複数含まれていて、イライラ・落ち込みを和らげます。生理前症候群(PMS)や更年期障害の不定愁訴にもよく使われます。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

ストレスで喉になにか詰まったような気がするときに使われる漢方薬です。
のどのつまり感は胃の動きが悪いせいなので、胃腸の動きをよくし、つまり感を取ります。

柴朴湯(さいぼくとう)

半夏厚朴湯に、小柴胡湯(しょうさいことう)という長引く風邪に使われる漢方薬を合わせたものです。精神不安があるときの咳や喘息によく使われます。
半夏厚朴湯の胃腸の動きをよくする作用に、小柴胡湯の肝の熱を取り胃腸に力をつける機能が合わさって、気の巡りをよくしつつ体を元気にします。

香蘇散(こうそさん)

体力がない人の風邪に使われる漢方薬ですが、香りのよい生薬が多く含まれていて、胃の動きをよくするので、憂うつのあるイライラにも使われます。

イライラ・怒りがあるときの養生

ストレス発散を心がけ、生活によい香りを取り入れましょう。軽い運動や大きな声を出すことは、気の巡りをよくするのに効果的です。散歩したり、エクササイズをしたり、カラオケで大声で歌ったりしましょう。

また、生活によい香りを取り入れるには、食事に香味野菜やハーブを取り入れたり、好きな香りの生活用品を使ったりするのが効果的です。肝の高ぶりによい香味野菜・ハーブとしては、ラベンダー、ミント、カモミール、クレソン、ししとう、せり、セロリ、チャービル、三つ葉、レモンバーム、食用菊などがあります。気の巡りをよくするハーブ・香味野菜としては、しそ、オレガノ、バジル、玉ねぎ、柑橘の皮、春菊、みょうが、ローレル(ベイリーフ)、らっきょう、パクチー、タイム、にんにくの茎、ピーマン、パプリカ、ラディッシュ、だいこんなどがあります。
香水・アロマオイル(エッセンシャルオイル)を使うのもおすすめです。好きな香りを使うのが一番ですが、特に思いつかない場合は、レモンバーム(メリッサ)、ペパーミント、スペアミント、ラベンダーなどのハーブや、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ベルガモットなどの柑橘系の香りをおすすめします。柑橘系の香りは気の巡りをよくすると古くから言われているためです。シャンプーや入浴剤にこれらの香りのものを取り入れるのも効果的です。

イライラ・怒りと漢方

イライラ・怒りは、肝の高ぶりを鎮め気の巡りをよくすることで対処します。体質・症状に合わせてさまざまな漢方薬を使い分ける必要があります。また、ストレスの原因がはっきりしている場合は、ストレスの原因自体に働きかけるやりかたも考えましょう。
何でもお気軽にご相談下さいませ。
                                        加美漢方薬局


全国の皆様よりお電話でご相談承ります。お気軽にご相談ください。

加美漢方薬局

Address. 大阪府大阪市平野区加美東3-17-16
Phone. 06-6793-0609
Open. 10:00-18:00
Holiday. 木曜・日曜・祝日