加美漢方薬局が選ぶ、便秘にいい有名な漢方薬5選
漢方から見て、便秘のタイプは以下の4つに分かれます。
- 熱秘（ねっぴ）
- 気秘（きひ）
- 冷秘（れいひ）
- 虚秘（きょひ）
それぞれのタイプの解説と、各タイプに合う漢方薬の紹介をします。
この記事の目次
熱秘と合う漢方薬
体が熱を持っていて、体を冷やすために水分を腸から吸い取ってしまいます。便は臭いが強く、乾燥して固いです。下剤で便を出して体の熱を冷ます必要があります。
大承気湯（だいじょうきとう）
配合生薬：枳実（きじつ）・厚朴（こうぼく）・芒硝（ぼうしょう）・大黄（だいおう）
便秘で体が熱を持っていて汗がたくさん出るときに使う薬です。枳実と厚朴で胃の動きをよくし、芒硝と大黄で腸を動かし便を出させます。大黄と芒硝は熱を冷ます効果も。全体的に、消化管の動きをよくして熱のもととなる便を強力に出させる薬です。かなり強力な下剤なので、体力がない人には向いていません。高血圧・神経症・食あたりにも使われます。
気秘と合う漢方薬
ストレスなどで体の巡りが悪く、消化器官の動きもよくないため、便秘と下痢を繰り返します。ストレス症状を和らげて体の巡りをよくしつつ、消化器官の動きもよくする薬が必要です。
大柴胡湯（だいさいことう）
配合生薬：柴胡（さいこ）、黄芩（おうごん）、枳実、芍薬（しゃくやく）、半夏（はんげ）、生姜（しょうきょう）、大棗（たいそう）、大黄
がっしりして便秘があり、ストレス過多で体の巡りが悪い人に向く漢方薬です。肩こり・歯ぎしり・のぼせがある場合によく使います。柴胡と黄芩でのぼせなどの体の熱を取り、枳実と芍薬で胃にたまったものを腸に送ります。柴胡はストレス症状を和らげる作用も。半夏・生姜・大棗は胃を動かし健康にして胃から腸へ物を送るサポートです。そして大黄で腸を動かし便を出します。体力がある人向けの薬なので、体力がない人には向きません。
冷秘と合う漢方薬
体を温めるエネルギーが足りず、体の内部がとても冷えているため消化器官の動きが悪いです。最初は太くて硬い便が出ますが、最後は下痢になることが多くなります。体を温めて消化管を動きやすくする事が必要です。
大建中湯（だいけんちゅうとう）
配合生薬：蜀椒（しょくしょう）、乾姜（かんきょう）、人参（にんじん）、膠飴（こうい）
冷えて腸の動きが悪く、ガスが溜まっている人向けの漢方薬です。蜀椒はサンショウの仲間で、お腹を強力に温めます。乾姜は生姜を蒸して乾燥したもので、やはり強力に胃を温める生薬です。人参は胃腸を健康にする働きがあり、膠飴（水飴の別名）は胃を健康にして体に栄養を補給します。大建中湯が合う人は、エネルギー不足でお腹が冷えていることが多いためです。大建中湯は、手術後の腸イレウス防止や過敏性腸症候群にも使われます。
虚秘と合う漢方薬
腸の潤いが足りず、便がうまく出せません。コロコロで固い、うさぎの糞のような便が出ます。水や油などで、体に潤いを補給する必要があります。
麻子仁丸（ましにんがん）
配合生薬：麻子仁（ましにん）、杏仁（きょうにん）、枳実、厚朴、芍薬、大黄
腸の動きをよくしつつ便を柔らかくし、麻子仁の油で便を包んで出しやすくする漢方薬です。麻子仁と杏仁で協力して腸を潤します。枳実と厚朴は胃腸の動きをよくし胃から腸へ物を送るサポートです。芍薬は腸の動きをよくする作用があり、大黄は強力に腸を動かして便を出します。麻子仁丸は、便の硬い慢性的な便秘に向く薬です。
潤腸湯（じゅんちょうとう）
配合生薬：麻子仁、地黄（じおう）、杏仁、枳殼、厚朴、当帰（とうき）、大黄、桃仁（とうにん）、黄芩、甘草（かんぞう）
作用は麻子仁丸と似ていますが、より腸を潤す作用が強くなっている漢方薬です。腸を潤す生薬の数が増えていて、麻子仁と杏仁だけでなく、地黄、当帰、桃仁も腸を潤します。当帰と桃仁には血の巡りをよくする作用もあり、腸の動きをよくするのを助けます。枳殼と厚朴は消化管の動きを促す生薬です。黄芩は潤いが足りないことで起きる体の熱を冷ます効果があります。甘草はすべての生薬を調和させ、効きすぎないように調整する役割です。潤腸湯は麻子仁丸と同じく便の硬い慢性的便秘に使う薬ですが、より程度がひどい場合に使います。
便秘に悩むなら大阪の加美漢方薬局へ
西洋医学の下剤は強力ですが、強力なのでお腹が痛くなる場合があります。漢方薬は体質に合わせて薬を選ぶので、不調になりにくいです。加美漢方薬局では体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。
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