加美漢方薬局が選ぶ、産後の不調におすすめの漢方薬5選
女性の体は産前と産後で大きく変わります。出産直後は体のダメージが大きいですが、産後何年も経っても不調が残ることも珍しくありません。出産経験のある人はずっと産後だと考えるべきです。産後の不調に使う漢方薬を紹介します。

この記事の目次
食欲がある場合
食欲があるなら胃腸に問題ないということなので、胃にもたれやすいけれど血を補う力が強い生薬、地黄(じおう)が入った薬を使います。
婦人当帰膠(ふじんとうきこう)
構成生薬:当帰(とうき)・黄耆(おうぎ)・地黄(じおう)・芍薬(しゃくやく)・阿膠(あきょう)・茯苓(ぶくりょう)・甘草(かんぞう)・川芎(せんきゅう)・党参(とうじん)
貧血や体力の不足に使う薬です。甘いシロップ剤として売られています。当帰・地黄・芍薬は血を補う生薬です。阿膠は血を補いつつも不正出血を止める作用があります。黄耆と党参は体力を補う生薬です。茯苓は胃腸を整えて余計な水分を出します。川芎は血の巡りをよくして補った血を全身に届けます。婦宝当帰膠は体を温める作用もあり、冷え性の薬でもあります。
芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
構成生薬:当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)・地黄(じおう)・白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)・陳皮(ちんぴ)・香附子(こうぶし)・牡丹皮(ぼたんぴ)・大棗(たいそう)・生姜(しょうきょう)・甘草(かんぞう)・烏薬(うやく)・益母草(やくもそう)
漢方の古い教科書(万病回春)に「産後一切の諸病」に使うと書かれている薬です。血を補い、血の巡りをよくしますので、貧血にも悪露にも効果があります。また、気の巡りをよくしてイライラ・うつ・ヒステリーを和らげる薬です。当帰・地黄で血を補い、川芎で補った血を巡らせます。白朮と茯苓で胃に溜まった水分を抜いて胃を健康にし、陳皮と生姜で胃を温めて動かします。香附子と烏薬はよい香りで気を巡らせリラックスさせる生薬です。牡丹皮と益母草は血行の悪さを改善します。大棗と甘草は他の生薬の働きを調和させます。
食欲がない場合
食欲がない場合、胃腸が弱っています。胃腸に重くない漢方薬を使ったり、胃腸を立て直して栄養吸収をよくする漢方薬を使ったりします。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
構成生薬:当帰(とうき)・芍薬(しゃくやく)・白朮(びゃくじゅつ)・川芎(せんきゅう)・茯苓(ぶくりょう)・沢瀉(たくしゃ)
おだやかに体を温めて血の巡りをよくし、貧血を改善します。むくみがちで胃腸が強くない人に向いています。当帰と芍薬は血を補う生薬です。川芎は補った血を巡らせて体中に栄養を届けます。白朮と茯苓は消化管に溜まった水分を吸収して尿として出し、胃腸を健康にする生薬です。沢瀉は膀胱に働きかけて利尿作用を示します。
帰脾湯(きひとう)
構成生薬:竜眼肉(りゅうがんにく)・黄耆(おうぎ)・人参(にんじん)・酸棗仁(さんそうにん)・当帰(とうき)・白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)・遠志(おんじ)・木香(もっこう)・甘草(かんぞう)・生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)
食欲がなく、よく眠れず、常にぼーっとしている人向けの漢方薬です。イライラやのぼせがある場合には加味帰脾湯(かみきひとう)が向いています。竜眼肉・酸棗仁・当帰・人参は心身を滋養し、安定させる生薬です。人参と黄耆は体力を補う生薬でもあります。茯苓と白朮は消化器官から水分を抜いて健康にする生薬です。遠志は精神と精力を同時に補う作用があります。木香はよい香りで消化器官を動かし、消化を助けます。生姜と大棗は胃腸を温めて健康にする生薬です。甘草は各生薬を調和させます。
悪露をすっと出したい場合
下半身の血の巡りをよくする漢方薬を使います。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
構成生薬:桃仁(とうにん)・牡丹皮(ぼたんぴ)・桂枝(けいし)・芍薬(しゃくやく)・茯苓(ぶくりょう)
血の巡りをよくする漢方薬です。特に下半身の血の巡りをよくするので、悪露だけでなく、血行不良による生理痛や子宮筋腫にも使います。桃仁と牡丹皮は協力して血行の悪さを強力に改善します。桂枝は体を温めて巡りをよくし、血行改善を助ける生薬です。芍薬は血を補うことで血行を促します。茯苓は水分代謝をよくする生薬で、血の巡りが悪いと水の巡りも悪くなるため水の周りの改善のために入っています。肩こり・生理痛・シミ・くすみにも有効な漢方薬ですが、妊娠中の人には使ってはいけない生薬が含まれています。
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