加美漢方薬局が選ぶ、肩こりにおすすめの漢方薬5選
肩こりには漢方薬がおすすめです。血行不良が原因の肩こりと高血圧が原因の肩こりがありますが、漢方では原因ごとに漢方薬を使い分けます。加美漢方が選ぶ、肩こりによい漢方薬を5つ紹介します。
この記事の目次
血行が悪い
桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）
構成生薬：桃仁（とうにん）・牡丹皮（ぼたんぴ）・桂枝（けいし）・芍薬（しゃくやく）・茯苓（ぶくりょう）
血行不良に広く使える漢方薬で、肌荒れやニキビにもよいです。桃仁は巡らずに溜まった血を流し、頑固な血行不良を改善します。牡丹皮は血の熱を取りつつ血行を改善する生薬です。桃仁と牡丹皮は協力して血を巡らせ、血行不良による痛みを止めます。桂枝は体を温めて血をめぐらせる生薬です。桃仁や牡丹皮は血行改善して痛みを取る作用を助けます。芍薬は巡らずに固まった血を和らげる生薬です。茯苓は胃腸を健康にし、水分代謝をよくします。血行が悪いと、血に乗って水が巡らず、水分代謝も悪くなるためです。
通導散（つうどうさん）
構成生薬：当帰（とうき）・紅花（こうか）・蘇木（そぼく）・枳穀（きこく）・厚朴（こうぼく）・陳皮（ちんぴ）・大黄（だいおう）・芒硝（ぼうしょう）・木通（もくつう）・甘草（かんぞう）
体力がある人の肩こり・のぼせ・あざなどに使う漢方薬です。胃腸の動きをよくし、溜まった便を出すことで血行をよくします。当帰は血を補いつつ血行改善する生薬です。紅花は体を温めつつ血行改善します。蘇木は特に毛細血管の血液循環をよくし、あざをよくする生薬です。枳穀・厚朴・陳皮は胃腸を整えて動きをよくし、血行改善を促す作用があります。大黄は溜まった便を出し、血行を改善する生薬です。芒硝も便を柔らかくしつつ便を出させます。木通は水分代謝をよくし、体の余計な熱を尿として外に出す生薬です。甘草は各生薬の働きを調和させ、副作用を防止します。通導散は体力充実して便秘がある人向けの薬なので、下痢気味の人や体力がない人には向きません。
高血圧
冠心Ⅱ合方（かんしんにごうほう）
構成生薬：丹参（たんじん）・芍薬（しゃくやく）・川芎（せんきゅう）・紅花（こうか）・木香（もっこう）・香附子（こうぶし）
心臓を中心に血流を改善する漢方薬で、高血圧による肩こりに使われます。頭痛・頭重・めまい・動悸・心疾患の予防などにもよいです。丹参は循環機能に働きかけ、血行を改善します。川芎・紅花・芍薬も巡らない悪い血を流したり、血行を改善する生薬です。木香と香附子はよい香りで心身をリラックスさせ、血の巡りやすい身体を作ります。
七物降下湯（しちもつこうかとう）
構成生薬：当帰（とうき）・地黄（じおう）・芍薬（しゃくやく）・釣藤鈎（ちょうとうこう）・黄耆（おうぎ）・川芎（せんきゅう）・黄柏（おうばく）
下の血圧が高い人の肩こり・頭痛・緑内障に使う漢方薬です。漢方では血が足りないと体に血を巡らせるために血圧が高くなる場合があると考えるため、血を補う生薬が多く入っています。当帰・地黄・芍薬は血を補う生薬です。川芎は補った血を巡らせるために入っています。釣藤鈎は血圧を下げ、興奮やめまいを落ち着ける生薬です。黄耆は体力を補う作用があり、血が足りず巡らないのが原因のしびれを改善し、脳への血液循環をよくします。黄柏は体の熱を冷やし、のぼせなどを和らげる生薬です。
三黄瀉心湯（さんおうしゃしんとう）
構成生薬：黄連（おうれん）・黄芩（おうごん）・大黄（だいおう）
血圧が高くて鼻血がよく出る・のぼせ・イライラ・胸のもやもやなどに使う漢方薬です。黄連は消炎・鎮静・解毒作用があり、体を冷やしてイライラや興奮を改善します。黄芩は主に胃腸の熱を取り、胸のもやもやを鎮める生薬です。黄連と黄芩は一緒に使うと胸の熱を取り、体を冷やす作用と解毒作用が強化されます。大黄は血の熱を冷やし、体に溜まった老廃物（便）を出す生薬です。大黄は黄芩とともにお互いの働きを強め合います。三黄瀉心湯は、体を冷やす生薬と下剤の生薬が入っているので、冷え性や下痢の人には向きません。
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