加美漢方ブログ
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漢方薬

漢方薬の豆知識

漢方薬 煎じ薬

漢方について、知っておくと少し楽しい豆知識や、漢方薬を使う上で知っておくと役に立つ豆知識を紹介します。

漢方の歴史

漢方は日本で発展した伝統医学

中国の伝統医学は中医学と呼ばれます。7世紀に初めて唐から日本にわたってきた中医学を、日本人の体質と日本の風土に合わせて編み直したのが漢方です。もともとは漢方とは呼ばれていませんでしたが、江戸時代にオランダから伝わった西洋医学が「蘭方」と呼ばれたので、もとからあった日本の伝統医学は、対になる「漢方」と呼ばれるようになりました。

「湯」がつく漢方薬はもともと煎じ薬(温めて飲む)

葛根湯など、名前に「湯」(とう)がつく漢方薬は、もともとは煎じ薬です。煎じ汁を温かいうちに飲むべきタイプの漢方薬です。体を温めたほうが効果がある漢方薬を含みます。

「飲」がつく漢方薬はもともと煎じ汁を冷まして飲む漢方薬

茯苓飲、甘露飲など、名前に「飲」(いん)がつく漢方薬は、煎じ薬ではありますが、温かい煎じ汁を飲むのではなく冷ました煎じ汁を飲む漢方薬です。炎症を鎮める漢方薬など、温かいまま飲むと不都合がある漢方薬を含みます。

「散」がつく漢方薬はもともと生薬粉末をあわせた薬

五苓散、当帰芍薬散など、名前に「散」(さん)がついた漢方薬は、もともとは生薬を粉末にしたものを混ぜ合わせて作った漢方薬で、粉を飲み込むタイプです。

「丸」がつく漢方薬はもともと丸薬

桂枝茯苓丸、八味地黄丸など、名前に「丸」がつく漢方薬は、もともとは生薬粉末を蜂蜜などで丸薬にして作る漢方薬です。体内でゆっくり溶ける剤形のほうが適したタイプの漢方薬が多いと言われています。

現代の多くの漢方薬はインスタントコーヒーの粉みたいなもの

現代で多く使われている顆粒状の漢方薬は、もともとの漢方薬の使われ方にかかわらず、一律に煎じて、煎じ汁の水分を飛ばしたものです。生薬の組み合わせがコーヒー豆なら、顆粒状の漢方薬はインスタントコーヒーの粉です。

現代の顆粒の漢方薬

漢方薬の使い方

葛根湯などはお湯に溶いて飲むと効果がいい

漢方薬を飲む女性

名前に「湯」がつく漢方薬で、体を温めたほうが効果がある漢方薬は、お湯に溶いて飲むと効きやすくなります。
葛根湯の場合は、体を温めて汗をかかせる漢方薬なので、白ネギや生姜を入れたスープなども取り入れるとよいでしょう。白ネギや生姜は体を温めつつ汗をかかせるので、葛根湯の働きを助けます。

喉の漢方薬は溶かしてうがいしてから飲み込むと効果がいい場合が多い

桔梗湯や甘草湯など、もともと煎じ薬で喉にいいものは、白湯に溶かして、その白湯でうがいしてから少しずつ飲むと喉に触れる機会が多くなり、効果が高くなります。

漢方薬の選び方

体の調子を見つつ漢方薬を選ぶ時の原則を紹介します。例外もあるのであくまで大原則ですが、参考にしてください。

補うのを優先して選ぶ

漢方薬と漢方薬の材料である生薬は、必要なものを補うタイプ(補法)と不要なものを出すタイプ(瀉法)に別れます。
人の体は複雑なので、ある部分は不足しつつある部分は出すべきという場合が多いですが、混ざっているときはまず補うのを優先します。むくんでいて体の水が過剰だけれども、気(体を温め動かすエネルギー)が不足している場合は、気を補う漢方薬を優先して使うなどです。気を補いつつ余計な水を出す漢方薬の組み合わせもあるので、詳しくは漢方薬局など漢方の専門家に相談してください。

温めるのを優先して選ぶ

人間の体は冷えやすいです。のぼせがあって冷えている場合は体の熱を撹拌する漢方薬を使いますが、みぞおちや下腹を触ってみて冷えている、体の中心は温かいけれど手足が冷えて仕方がない、などの場合は、温める漢方薬を優先的に使います。体の中心が冷えているのと手足が冷えているのとでは使う漢方薬が大きく異なります。

胃腸の調子を優先して選ぶ

漢方は胃腸を重要視します。胃腸が整っていないと、薬用成分も栄養も吸収できないためです。そのため、貧血があって胃腸が弱い人などには、まず胃腸に力をつける漢方薬を使うのを優先します。うまく行けば、胃腸の吸収力が上がることで栄養が吸収できるようになり、貧血が改善します。

すぐ疲れて休まないとやっていけないのは補い不足なことが多い

すぐ疲れる、すぐ休まないと動けなくなる、の場合は、気が不足していると考えます。気を補う漢方薬を中心に使う場合が多いです。

朝起きてすぐ疲労感があるのは巡り不足なことが多い

疲労感は、体の巡りが不十分でも起こります。気が不足して起こる疲労とはまた別です。気血水を巡らせる漢方薬が役に立つ場合が多いです。また、ストレッチや軽いエクササイズは気血のめぐりをよくし、汗をかく運動は水の巡りをよくするので、体を動かすのもおすすめです。

まとめ

漢方に関連した豆知識を紹介しました。ここで紹介したのはあくまで大原則なので、例外はいつでもあります。自分にぴったりな漢方薬や養生法等、加美漢方薬局までお気軽にご相談下さいませ。

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