眼精疲労・ドライアイに効果のある漢方薬をご紹介
酷い眼精疲労は、生活の仕方を見直したり、遠くを見たりして目の負担を減らすことが必要です。しかし、目に栄養を与えたり、眼精疲労によるドライアイを改善したりするなら、漢方薬がおすすめです。
漢方では、眼精疲労やドライアイを、血液が含む栄養などが足りないと考えます。漢方では、血液と血液が含む栄養・ホルモンなどをまとめて「血」(けつ)と呼びます。眼精疲労やドライアイは血が足りない「血虚」という状態だと考えます。血虚を改善しつつ、目を直接潤わせたり炎症を抑えたりする漢方薬を使います。
この記事の目次
眼精疲労の漢方薬
血虚を改善し、間接的に目にも働きかける重要な生薬に地黄(じおう)があり、これは胃にもたれやすいです。そのため、地黄を含む漢方薬は胃腸に問題ない人のみ使います。
胃腸に問題ない場合の漢方薬
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
地黄などで血を補いつつ、目の潤いを補う生薬や目の炎症を抑える生薬を加えた漢方薬です。
六味丸(ろくみがん)
地黄などで血を補いつつ、血を貯蔵する肝を助ける腎にも働きかけ、腎を補う漢方薬です。子供の発育不全や高齢者の老化防止にも使われます。
知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
地黄などで血と腎を補いつつ、体全体の潤いを補ってドライアイなどを改善する漢方薬です。体を冷やすエネルギーを補充して体の熱を抑えるので、更年期のほてりやのぼせにも使われます。
四物湯(しもつとう)
血虚を改善する基本の漢方薬です。地黄だけでなく、血を補う生薬が複数組み合わせられています。
滋腎明目湯(じじんめいもくとう)
四物湯に、四物湯を消化しやすくする生薬や目などの炎症を抑え熱を取る生薬を複数足した漢方薬です。血に栄養を与えつつ、目のかすみや疲れを取り、目の炎症を改善します。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
四物湯に、体を温め動かすエネルギー「気」を補う生薬を複数足して、気力体力を大いに補う漢方薬です。
人参養栄湯
十全大補湯に似た生薬の組み合わせの漢方薬で、効果も十全大補湯に似ていますが、十全大補湯より精神不安や咳がある人向けの薬です。
連珠飲(れんじゅいん)
四物湯に、下半身の冷えや体のむくみを取る漢方薬「苓姜朮甘湯」(りょうきょうじゅつかんとう)を足した漢方薬です。貧血気味で下半身が冷えている人に使います。
胃腸が弱い場合の漢方薬
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血を補いつつ穏やかに体を温め、むくみを改善する漢方薬です。貧血気味で色白な人に向いています。
帰脾湯(きひとう)
食欲があまりなく、気力体力が不足してやる気が出ない人の気力体力を補う漢方薬です。血を補う作用も多少持ちます。のぼせやイライラがある場合は加味帰脾湯(かみきひとう)のほうがむいています。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
食欲がなく、元気もない人の胃腸に力をつけて食欲を改善し、おおいに気を補って元気にする漢方薬です。血を補う作用も多少持ちます。夏バテなどにも使われます。
四君子湯(しくんしとう)
当帰芍薬散、帰脾湯、補中益気湯は、主に「当帰」(とうき)という生薬で血を補っていますが、当帰ですらも胃にもたれる場合は胃腸に力をつけて血を作る栄養をきちんと消化吸収できる身体にする必要があります。四君子湯は胃腸に力をつけて消化吸収力を高める基本の漢方薬です。場合によっては、四君子湯に胃の動きをよくする生薬を加えた六君子湯(りっくんしとう)を使う場合もあります。
血虚の養生法
漢方では、夜に血が作られるとされているので、早寝することが大事です。また、汗をかきすぎるのは血の含む潤いを消耗するので避けましょう。運動はおすすめですが、汗をかきすぎる運動は避けましょう。サウナや岩盤浴も控えましょう。血液の栄養となるビタミン・ミネラル・タンパク質をバランスよくとることを心がけましょう。
血虚の薬膳
薬膳は特別な食材でなくとも作れます。血虚の場合、血を補う食材がおすすめです。血を補う食材で手に入りやすいのは以下です。
- 黒豆
- あしたば
- エゴマの葉
- 枝豆
- 黒キクラゲ
- 金針菜(きんしんさい)
- しめじ
- チャービル
- にんじん
- パセリ
- ほうれん草
- よもぎ
- カシス
- ぶどう
- ライチ
- 龍眼(りゅうがん)
- 黒ごま
- 松の実
- 赤貝
- あさり
- 穴子
- あわび
- あんこう
- イカ
- イワシ
- うなぎ
- 牡蠣
- カツオ
- 鮭
- サバ
- スズキ
- タコ
- 太刀魚
- タラ
- なまこ
- ニシン
- ハタ
- ひじき
- ブリ
- マグロ
- マテ貝
- マナガツオ
- 鴨肉
- 牛肉
- レバー類
- クジラ肉
- 豚足
- うずらの卵
- 卵黄
- 鶏卵
また、肝には血を貯蔵する役割がありますが、腎が弱ると肝が弱り、目に影響が出ます。つまり、眼精疲労やドライアイには腎を補う食材も必要です。腎を補う食材で手に入りやすいのは以下です。
- アワ
- 黒米
- 小麦
- ムカゴ
- 山芋
- 黒豆
- ササゲ
- なた豆
- エゴマの葉
- 枝豆
- ブロッコリー
- カリフラワー
- キャベツ
- ごぼう
- 干し椎茸
- なめこ
- ニラ
- 芽キャベツ
- モロヘイヤ
- ヤマブシタケ
- カシス
- ブルーベリー
- プルーン
- カシューナッツ
- 栗
- くるみ
- 黒ごま
- 蓮の実
- 松の実
- アワビ
- いくら
- イシモチ
- イトヨリ
- うなぎ
- ウニ
- エビ
- ホタテ
- カツオ
- 川海老
- サザエ
- サヨリ
- ししゃも
- スズキ
- スッポン
- タイ
- 太刀魚
- なまこ
- マナガツオ
- ムール貝
- 烏骨鶏
- うずら
- 牛の腎臓
- クジラ肉
- 鹿肉
- 鶏肉
- 鶏レバー
- 豚肉
- ココナッツオイル
- ローヤルゼリー
- クローブ
漢方で目の疲れに対処してみよう
目の疲れは、目の運動や生活習慣の見直しがまず大事です。しかし、目に栄養を与えて疲れやドライアイを改善するなら漢方薬が役立ちます。多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。
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