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漢方薬

頻尿(過活動膀胱)におすすめの漢方薬

トイレが近いと煩わしいものです。夜にトイレに起きてしまうのも面倒なものです。漢方は、膀胱に働きかけたり、体全体に働きかけたりして頻尿を改善するのに役立ちます。漢方から見た頻尿になりやすい体質と、体質ごとのおすすめの漢方薬を紹介します。

頻尿の女性のイラスト

漢方から見た頻尿になりやすい体質

頻尿になりやすい体質は、いくつかあります。

気滞(きたい)

体を温め動かすエネルギーが「気」です。気の巡りが悪い状態を「気滞」と呼びます。ストレス過多な人が多く、落ち込み、イライラ、憂鬱が出やすい体質です。また、ガスによるお腹の張りやゲップが多く出る場合もあります。気の巡りが悪いと、血の巡りや水の巡りも悪くなり、下半身の冷えやむくみの元となります。

腎虚

尿を作る腎の衰えにより、尿が多くなって頻尿になる場合があります。このタイプは体が冷え、腰や膝がだるくなります。また、加齢で腎が衰える場合も多いです。陽虚で腎虚になる場合もあります。

頻尿におすすめの漢方薬

体質や症状によって、多くの漢方薬を使い分けます。

気滞(きたい)

四逆散(しぎゃくさん)

体力のある人の気滞症状に使う漢方薬です。ストレスによる脇の張りや肩こりにもよく使います。体力がなく食欲不振になりがちな人には、加味逍遙散や香蘇散が向いています。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

体力があまりない人の気滞症状に使う漢方薬です。生理前のイライラ・落ち込みによく使われるので、生理前症候群(PMS)によい婦人薬として有名です。気の巡りが悪くなると悪くなりがちな、血の巡りと水の巡りをよくする作用もあります。

香蘇散(こうそさん)

体力がない人の気滞によい漢方薬です。しそやみかんの皮など、香りのよい生薬が胃腸を温めて動かし、落ち込みや憂鬱を改善します。体力がない人の風邪や胸苦しさにもよく使う漢方薬です。

気虚による冷え

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

体力がない人の体を温め、筋肉を緩める漢方薬です。腹痛や風邪によく使われますが、膀胱を緩めたり体を温めたりにもよいです。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

体を穏やかに温め、気を補う漢方薬です。血を補いつつ水の巡りをよくするので、むくみがちな人の貧血によく使われます。婦人薬としても有名です。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅっかんとう)

気を補いつつ、体の中心を温めて余計な水を抜く漢方薬です。下半身が水に浸かったように冷えている人の頻尿に使われます。冷え性でむくみがちな人におすすめです。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

食欲不振や夏バテによく使われる、大いに気を補う漢方薬です。体を直接温めるというより、気を補って気で体を温める漢方薬なので、疲れやすく食欲がない、など気虚の症状が顕著な場合に向いています。

六君子湯(りっくんしとう)

食欲がなく疲れやすいなど、気虚の症状が顕著で胃腸が弱い人向けの漢方薬です。胃にもたれる生薬を含まず、胃腸に力をつける生薬と胃腸の動きをよくする生薬で作られています。六君子湯でも合わないくらい胃腸が弱い場合は、四君子湯(しくんしとう)が使われます。

腎虚

八味地黄丸(はちみじおうがん)

腎を補いつつ、下半身に力をつけ、体の巡りをよくする漢方薬です。夜トイレが近くなる症状や、加齢による頻尿、加齢による前立腺肥大症、前立腺肥大症による尿の出にくさに広く使われます。

その他(膀胱炎)

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

膀胱炎によく使われる漢方薬です。腎・気を補いつつ体の炎症を取り、膀胱炎を鎮めます。

猪苓湯(ちょれいとう)

尿を多く出して、膀胱炎を起こしている細菌を流しだす漢方薬です。尿が出にくい場合にもよく使われます。体の熱を取って炎症を鎮めたり、膀胱からの出血を抑えたりする作用もあります。膀胱炎で血尿になっている場合は、猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう)が使われる場合もあります。

頻尿の養生

頻尿になりやすいすべての体質において言えることですが、体を冷やしてはいけません。どの体質においても頻尿のもととなります。

また、水分摂取をためらうのはやめましょう。脱水は夏以外の季節でもなり得ます。水をあまりにも多く取るのはよくありませんが、人間は毎日の十分な水分摂取を必要とする生き物です。尿もある程度しないと生きていけません。頻尿で悩んでいるなら、水分摂取をためらうのではなく、頻尿の原因になっている冷えなどの原因を改善する方向でいきましょう。

他の原因として、塩分を取りすぎて喉が渇いて水分を多く取り、頻尿になっている場合もあるので、塩分の摂取量を一度見直してみましょう。

まとめ

頻尿にはさまざまな原因があります。 多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。 何でもお気軽にご相談下さいませ。


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