痔
肛門の構造
「肛門」の構造ですが、肛門は奥行きが約3cmあり、「直腸」とつながっています。直腸と肛門の境目の「歯状線」より奥は粘膜でできているので痛みをほとんど感じませんが歯状線から下の肛門は皮膚でできているため、痛みを感じます。
肛門と直腸を囲む「括約筋」の近くには、毛細血管や筋線維などが集まってできた、弾力性のある「肛門クッション」があります。
痔の症状図
いぼ痔について
肛門クッションがうっ血して大きくなり、いぼ状になります。
肛門の内側にできると排便時に出血し、進行すると肛門外に脱出するようになります。
肛門の外側にできる「血栓性外痔核」では、肛門の周囲に血まめ状のいぼができます。
いぼ痔の症状
- 排便時に出血がある。
- いぼが肛門外脱出する。
- 肛門の周囲に血まめ状のいぼができる。
きれ痔について
肛門を便秘などで硬い便が通過する時に歯状線より下の部分が切れたり、裂けたりして起こります。肛門の周りにある括約筋の緊張が強いため肛門が広がりにくいような人に起こりやすい痔です。
きれ痔の症状
- 排便時の鋭い痛み。
- 排便時に少量出血する。
- 便が細い。
痔ろうについて
痔ろう初期
「肛門周囲膿瘍」ができます。下痢をよくくり返すなどで歯状線にある小さなくぼみに便が入りこみ、大腸菌などの細菌が感染して炎症をおこすと、括約筋が化膿して膿がたまります。肛門周囲が赤く腫れ、発熱する場合もあります。
痔ろう初期の症状
- お尻の痛みや腫れ。
- 37~36度摂氏の発熱。
痔ろう中期~末期
肛門周囲膿瘍の膿が出たあと、肛門側から肛門周辺の皮膚につながるトンネル状の膿の管が残るのが痔ろうです。痛みは治まりますが。膿が常にじくじくと外に出てきます。
痔ろう中期~末期の症状
- 痛みは治まる。
- お尻が膿でべたついたり、下着が汚れたりする。
痔に実績のある漢方薬
- 乙字湯(おつじとう)
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
- 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 四逆散(しぎゃくさん)
- 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
加美漢方薬局
味好俊治
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