慢性胃炎
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慢性胃炎とは
家族や親しい仲間との楽しいお食事。そんな時、体はリラックスして副交感神経が活性化されています。
副交感神経は、食事に合った最適な量の胃酸を分泌し、消化を助けます。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、双方のバランスをとりながら私達の体の健康を維持しています。
胃酸は、リラックス状態の時に活性化される副交感神経の働きで分泌されるのですね。
では、ストレスが多い胃炎の方がなぜ胃酸過多になるのでしょうか?
ストレスは緊張状態で交感神経が興奮しているのに、なぜ胃酸が多く分泌されるのでしょうか?
不思議ですね。
胃はストレスを受けると交感神経が強く働き血流量が減り、胃は萎縮してしまいます。
このストレスが続くと交感神経は働きづめです。
そこで体はストレスの緊張状態を解こうと副交感神経を働かせます。
その時に胃酸がどっと出て、胃の粘膜を荒らすのです。
長く続くストレス状態。
その緊張を和らげようと必死に働く副交感神経。
次第に自律神経のバランスも崩れて行きます。
慢性胃炎の原因はストレスだけではありません
「慢性胃炎」の原因はストレス以外に、ピロリ菌の影響も言われています。
「ヘリコバクター・ピロリ」通称「ピロリ菌」は、乳幼児期に感染する人がほとんどで、慢性胃炎の原因になっていると言われています。
食べ物を消化する胃酸の酸性度は強力で、胃の粘膜を溶かすほどです。
でも、胃は消化されませんよね。それは、胃は粘膜に十分な血液を供給し、粘膜の表面を中性である粘液で覆い、それにより胃酸から胃を守っているからです。
では、ピロリ菌は強い胃酸からどのように身を守り、私達の胃に悪さを働いているのでしょうか?
ピロリ菌は中性である胃の粘液の中に住み着いているのです。
しかも、自らの持つウレアーゼ(酵素)を使ってアルカリ性のアンモニアを作り胃酸から身を守っています。
そして、ピロリ菌の作るアンモニアや毒素は胃の粘膜を障害し、「慢性胃炎」を起こします。
西洋医学では慢性胃炎は3つのタイプに分かれます
過酸症型
普段はよく食べれますが、胃炎のため食欲が減退します。
胃酸過多症型
胃液中の塩酸の量が多く、酸度が異常に高い状態を 胃酸過多症と言います。
胸焼けやゲップがあり、普段はよく食べれますが、 胃炎のため食欲が減退します。
低酸症(胃酸減少)型
食が細く、普段からあまり食欲がありません。
漢方ではこの3つのタイプを「寒」「熱」「気虚」「気滞」
に分けて考えます。
①「寒」タイプ
過酸症の方に多いタイプです。胃の冷えが原因で、痛みが起こります。
「寒」タイプの方は、空腹時に痛み、胃に食べ物が入ると痛みが和らぎます。
漢方薬には胃を温めて働きを良くするものを選びます。
②「熱」タイプ
胃酸過多症の方に多いタイプです。
胃に熱(炎症)を持っているため、痛みが起こります。
「熱」タイプの方は、食後2時間くらいすると痛みが出てきます。
胃酸の分泌を抑え、炎症をとる生薬、黄連(オウレン)や山梔子(サンシシ)を用いますが、実際にはお腹を温める漢方薬に合わせて使用することが有効です。
③「気虚」タイプ
低酸症の方に多いタイプです。
生命エネルギーが不足しているため、胃の働きが悪く消化の力が落ちています。食欲不振であったり、少し食べるだけで痛みが起こります。
漢方薬には体のエネルギーを補い、胃の働きを良くするものを選びます。
④「気滞」タイプ
ストレスや胃痛のきつい方に多いタイプです。生命エネルギーの流れが停滞しているため、食べた物がスムーズに消化されません。
みぞおちあたりが張っていて、膨満感を訴えます。
漢方薬には滞ったエネルギーの流れを良くする理気薬を選びます。
慢性胃炎と言っても、その人その人により症状は異なります。
実際には①~④のタイプが混合して、組み合わせも色々です。
そして細やかな対応ができるのが漢方薬で、一時抑えではなく根本的に体質改善を致します。
慢性胃炎でお困りの方、どうぞお気軽にご相談下さいませ。
慢性胃炎に実績のある漢方薬
- 六君子湯(りっくんしとう)
- 平胃散(へいいさん)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 四逆散(しぎゃくさん)
- 人参湯(にんじんとう)
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
加美漢方薬局
味好俊治
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