漢方の煎じ薬とは?エキス製剤との違いについてもご紹介
漢方薬の「煎じ薬」をご存じでしょうか?
漢方薬は何種類かの生薬を組み合わせて構成されております。
その生薬の服用方法としては、エキス製剤・煎じ薬が代表的な飲み方とされています。
しかし、「煎じ薬」は聞いたことがあってもよく知らないという方も多いでしょう。
今回は、漢方薬の煎じ薬について、またエキス製剤との違いについてご紹介していきます。
漢方薬の「煎じ薬」とは?
漢方薬の「煎じ薬」とは、生薬をそのまま煮詰めて作る飲み薬のことを指します。
患者さんが自ら毎日生薬を煮詰めて作り服用するもので、生薬の調整にはある程度手間がかかるという特徴があります。
現代の治療薬は、煎じ薬を簡単に飲みやすくした漢方製剤の「エキス製剤」が主流となっておりますが、伝統的に言えば煎じ薬がもともとの主流でした。
最適の治療薬としてエキス製剤には無いような処方であったり、エキス製剤による効果が弱めだったりする場合は煎じ薬の服用が推奨されています。
また、お湯に溶かして服用することで生薬の効果は高くなることが分かっています。
エキス製剤との違いは何?
エキス製剤との違いを一言で表すと「効果」です。
エキス製剤であると煎じ薬よりもその効果が弱まってしまうのです。
一般的なものに例えるイメージとして、煎じ薬は本格派のドリップコーヒー、エキス製剤はインスタントコーヒーという風に例えられています。
煎じ薬
煎じ薬は、漢方薬の細かいさじ加減が可能で、理想通りの組み合わせでの漢方処方ができます。
煎じる手間がいるのですが、エキス製剤と比較すると煎じ薬の方が早く効き目があらわれます。
ただ作り忘れ・飲み忘れが生じる場合があるので注意が必要です。
エキス製剤
エキス製剤は細かい生薬のさじ加減はできないのですが、水・白湯さえあればいつでも簡単に薬を飲めるというメリットがあります。
ただ、製薬会社によって生薬エキスの量が異なること・煎じ薬と比較すると生薬エキスの量は少ないことがデメリットとも言えます。
煎じ薬の作り方と飲み方
「煎じ薬」という名前の通り、服用には煎じる作業が必要です。
難しいということはなく、生薬を煮詰めて飲むだけなので誰でも簡単に作ることができます。
煎じ薬の作り方
煎じ薬の作り方をご紹介します。
手順1
600~900ミリリットルほどの水を入れた鍋に、その日服用する生薬を投入します。
この時、しばらく浸しておいて生薬に水分を含ませてから煎じるのも良いでしょう。
手順2
火をつけて水を温めていき、沸騰した後は弱火で約30分煎じていきます。
この時、焦げ付きや噴きこぼれが起きないように注意が必要です。
鍋の蓋をせずに煎じる方が良いかもせれません。
手順3
30分ほど経ったら火を止め、すぐに生薬を取り出し煎じ液をしっかりと切りましょう。
そうして完成した飲み薬が、一日分の煎じ薬となります。
煎じ薬の飲み方
煎じ薬は1日につき3回を目安に、分けて服用をするのが良いでしょう。
服用のタイミングとして、慢性的な病気の治療を目指す方であれば、食間・食後でも問題ありません。
ただ服用開始初めは、胃腸を薬に慣れさせる必要があるので食後の服用の方が安心でしょう。
また服用の際には常温よりも温かくして飲むことで、より生薬の効き目が良くなります。
おわりに
今回は漢方薬の煎じ薬について、またエキス製剤との違いについてご紹介しました。
エキス製剤は簡単に服用が可能ですが、その効果や調整のしやすさという面においては煎じ薬の方が優れていると考えられます。
煎じ薬は生薬の配合によって、病状や体質に合わせた処方ができるため、体に馴染んでくれる優しい漢方薬だと言えるでしょう。
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