気管支喘息
喘息の起こるしくみ
気道の表面は粘膜におおわれ、その外側を平滑筋という筋肉が取り囲んでいます。
喘息の患者さんの気道は主にI型アレルギーが原因で、慢性的な状態になっています。
そこにダニやほこり、気温の変化や風邪などを引くと刺激が加わり、厚くなっていた平滑筋が収縮し、粘膜のむくみにより気道が狭くなり発作を起こります。軽い発作はせきやたんで少し息苦しくなる程度ですが、重い発作になると呼吸に伴って「ゼーゼー、ヒューヒュー」と音がして、呼吸困難になります。
I型アレルギーとは
喘息とは主にI型アレルギーで起こるといわれています。抗原抗体反応の過剰により免疫グロブリンE (IgE)抗体が増えます。そのIgEが気道の粘膜にある肥満細胞に結合し、抗原抗体反応を起こすことにより、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されます。それが気道に慢性的な炎症を起こさせることになります。
アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎なども、起こる部位は違いますが同じように主にこのI型アレルギーで起こるといわれています。
西洋医学での喘息の治療
「吸入ステロイド薬」で慢性的な炎症を抑え、発作を起こりにくくします。発作が起きたときには「吸入B2刺激薬」などで狭くなった気管を広げ、呼吸を楽にします。
漢方での喘息の治療
喘息が慢性化すると、わずかな刺激でも発作が起きるようになり、悪循環に陥ります。この悪循環に陥らないために漢方薬は大変効果的です。
日本呼吸学会は「漢方治療における医薬品の適正な使用法ガイドライン」を表記して、漢方薬の適正な使用法を示しています。漢方治療では発作時に飲む薬と体質改善のそれとを区別します。また発作時の漢方薬は「熱喘」と「寒喘」の症状によりお薬を使い分けます。実際にはこの中間型が最も多いのです。
気管支喘息に実績のある漢方薬
- 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
- 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
- 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
- 六君子湯(りっくんしとう)
- 小紫胡湯(しょうさいことう)
- 大紫胡湯(だいさいことう)
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
- 通導散(つうどうさん)
加美漢方薬局
味好俊治
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